51回PT 午前問題49 介入研究に該当するのはどれか。

51回PT 午前問題49


介入研究に該当するのはどれか。

 

1.特定の集団での継続的な治療の観察
2.通常行われている治療の効果判定
3.2群に分けた治療の前向き比較
4.複数データによる横断的比較
5.過去の治療成績間の比較

 

 

解答:3


3は、正しい。介入研究とは「研究者等が研究対象者の集団を原則として2群以上のグループに分け,それぞれに異なる治療方法,予防方法,その他の健康に影響を与えると考えられる要因に関する作為または無作為の割付けを行って,結果を比較する手法によるもの」である。

1,2,4,5はは観察研究とされます。

51回PT 午前問題48 我が国の産業衛生について正しいのはどれか。

51回PT 午前問題48


我が国の産業衛生について正しいのはどれか。

 

1.死亡災害は平成20年以降半減している。
2.メンタルヘルス不調による休職者の復職率は10%程度である。
3.4日以上の休業事由で最も多いのは、転倒による死傷災害である。
4.体調不良であるが出勤する〈presenteeism〉割合は諸外国に比べて少ない。
5.職場における腰痛予防対策指針では重量物の扱いの具体的な記載はない。

 

 

解答:3


1は、間違い。全産業における死亡災害は平成20年で1,268名であり,平成21年以降26年まで,1,075・1,195・2,338(震災死亡者含む)・1,093・1,030・1,057名と,平成23年の震災時以外においても半減していない。

2は、間違い。メンタルヘルス不調の復職率は45.9%と報告されている。

3は、正しい。休業4日以上の死傷災害の内訳は,最も多いのが通路や作業床での「転倒」,次に階段,桟橋,はしご等からの「墜落・転落」となっている。

4は、間違い。presenteeismの割合について諸外国との比較を行うための十分なデータはない。

5は、間違い。事業者に対して,重量物を取り扱う作業を行わせる場合には,単に重量制限のみを厳守させるのではなく,取扱い回数等の作業密度を考慮し,適切な作業時間,人員配置等に留意しつつ対策を講ずることとしている.その中で重量や作業姿勢などについて具体的に記載されている。

51回PT 午前問題47 地域包括ケアシステムで特に重視されるのはどれか。

51回PT 午前問題47


地域包括ケアシステムで特に重視されるのはどれか。

 

1.自助の軽減
2.互助の推進
3.共助の拡充
4.要介護度の細分化
5.国が主体の取り組み

 

 

解答:2

1は、間違い。自助(自分のことを自分ですること,市場サービスの購入)は推進されています。
2は、正しい。互助(費用負担が制度的に裏付けられていない自発的な相互の支えあい)は、推進されています。
3は、間違い。共助(介護保険などリスクを共有する被保険者の負担)は拡充が難しいとされています。
4は、間違い。
5は、間違い。保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて、進めていきます。

 

51回PT 午前問題46 新しい運動を学習するときに患者の手続き記憶に変換される段階はどれか。

51回PT 午前問題46


新しい運動を学習するときに患者の手続き記憶に変換される段階はどれか。

 

1.患者に理想とする運動パターンを言葉で教示しているとき。
2.患者に運動課題を提示しつつ説明しているとき。
3.患者が運動を試行錯誤しているとき。
4.患者が正しい運動パターンを反復練習しているとき。
5.患者が実際の生活環境で実践しているとき。

 

 

解答:4


手続き記憶とは,言葉で説明できないが行動や反応に現れる非陳述記憶です。

たとえば、運転技能や仕事の手順など体で覚えた記憶をさします。

正しい運動パターンの反復により記憶されるので、4が正しいです。

 

51回PT 午前問題45 ICFで身体構造・心身機能の第一評価点(小数点1桁)が示すのはどれか。

51回PT 午前問題45


ICFで身体構造・心身機能の第一評価点(小数点1桁)が示すのはどれか。

 

1.障害の程度や大きさ
2.阻害因子の有無
3.障害された範囲
4.時間的な経過
5.実行状況

 

 

解答:1


心身機能は一つの評価点(第一評価点)でコード化され,機能障害の程度や大きさを表します。

1は、正しい。第一評価点は構造障害の程度を表します。

2は、間違い。第二評価点(構造障害の性質),第三評価点(構造障害の部位)となります。

3は、間違い。「障害された範囲」については評価点として明示されていません。

4は、間違い。「時間的な経過」については評価点として明示されていません。

5は、間違い。「実行状況」は活動と参加の第一評価点です。

 

51回PT 午前問題44 成人に対する喀痰の吸引について適切なのはどれか。

51回PT 午前問題44


成人に対する喀痰の吸引について適切なのはどれか。

 

1.理学療法士は行わない。
2.吸引圧は最大で20kPaとする。
3.1回の吸引は20秒以上かけて行う。
4.吸引カテーテルは気管分岐部まで挿入する。
5.吸引カテーテルは吸引圧をかけながら素早く挿入する。

 

解答:2


喀痰吸引とは陰圧付加したカテーテルを用いて,口腔内,上気道,気管内の気道分泌物を除去することをいいます。

1は、間違い。平成22年の厚生労働省医政局長の通知により,理学療法士による吸引も合法化されました。

2は、正しい。吸引圧は最大で20kPa(150mmHg)とします。

3は、間違い。1回の吸引は10秒以内にとどめるようにします。

4は、間違い。気管分岐部に当たらない位置までゆっくりと挿入します。

5は、間違い。吸引カテーテルは吸引圧を止めながら挿入します。

 

51回PT 午前問題43 血液透析中の慢性腎臓病〈CKD〉の生活指導で適切なのはどれか。

51回PT 午前問題43


血液透析中の慢性腎臓病〈CKD〉の生活指導で適切なのはどれか。

 

1.有酸素運動を行う。
2.蛋白質の摂取は制限しない。
3.カリウムの摂取は制限しない。
4.ナトリウムの摂取は制限しない。
5.シャント側の手の運動は禁忌である。

 

 

解答:1

 

CKD患者の生活指導では肥満を防ぐために過度の運動不足にならないように有酸素運動を推奨するので、1が正しいです。

2,3,4は間違い。栄養障害を防ぐ必要もあるため,エネルギー必要量は健常者と同じくらいを目安にしますが、CKDステージの進行に応じて蛋白質カリウム,ナトリウムの摂取制限をします。

5は、間違い。血液透析中,透析直後でなければシャント側の手の運動も可能です。